お店の電話に出られない。予約を逃さない留守電の文例と受け皿の作り方
施術中、調理中、接客中。1人でお店を回していれば、電話に出られないのは当たり前です。根性でどうにかなる話ではありません。
なので発想を変えます。出られない前提で、電話の「受け皿」を作ります。この記事には、そのまま録音できる業種別の留守電文例3本と、電話そのものを減らす「先に載せる質問リスト」10個、取りこぼしが実際どれくらいあるかを数える方法まで載せました。全部0円で、今日からできます。

電話の何割が、出られない時間に鳴っているのか
飲食店の予約電話の約3分の1は営業時間外にかかっていた、という調査があります(トレタ調べ・参考値)。「電話がつながらないと約3割が予約をやめる」という数字も語られますが、こちらは元の調査を確認できていないので、未検証の数字として扱ってください。
営業時間内も安心できません。当研究室が教材用に作った架空のサロンの予約データで試算すると、施術と前後の準備で手が塞がっている時間は、営業時間の約4分の1でした(架空データの試算)。問題は割合よりも、その時間がいつ来るかを選べないことです。電話は鳴る時間を選びません。
自分の店の実際の数字は、スマホの着信履歴で数えられます。1日1行、「不在着信の件数/折り返した件数/つながった件数/予約になった件数」をメモに書くだけです。2週間続けると、打ち手の場所が見えてきます。営業電話が半分以上なら取りこぼしの問題ではないし、折り返せていないなら電話でない返し方に変える話になるし、用件が「調べれば分かること」中心なら、下の質問リストが一番効きます。
受け皿は3つ。全部、鳴る前に書ける文章です
- 留守電のメッセージを書き換える。定型の機械音声のままにしない(文例は次の節)
- 電話がつながりやすい時間帯を書いておく。Googleビジネスプロフィール(お店の無料登録情報。以下GBP)とホームページに1行
- よくある質問を先に載せる。電話の何割かは、載せておけば来ない質問です
どれも仕組みの導入ではなく、文章を先に用意するだけです。文章を用意するのが面倒でみんな止まるのですが、そこは下書きをAIに頼めば早く済みます。
留守電メッセージの文例(業種別3本)
長い留守電は最後まで聞かれません。30秒・5要素で組みます。
| 順番 | 要素 | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 店名を名乗る | 3秒 |
| 2 | いま手が離せないこと(理由は一言) | 5秒 |
| 3 | 代わりの連絡手段の案内(ここが本体) | 10秒 |
| 4 | 折り返しの目安の時間 | 7秒 |
| 5 | 用件を残してもらう案内 | 5秒 |
多くの留守電には3がありません。「後ほど折り返します」で終わると、相手はただ待つしかなく、待てない人は別の店にかけます。以下、◯◯を自分の店に差し替えて、そのまま吹き込んでください。
サロン・施術系
> お電話ありがとうございます。◯◯です。ただいま施術中で、電話に出ることができません。ご予約・日時の変更・ご質問は、LINEまたはネット予約から24時間受け付けています。そちらのほうが早くお返事できます。お電話でのご用件は、発信音のあとにお名前とご用件をお話しください。本日18時以降に、順にご連絡します。
飲食店
> お電話ありがとうございます。◯◯です。ただいま調理と接客で手が離せず、電話に出られません。ご予約はネット予約から24時間お取りいただけます。本日のお席やご予約の変更は、発信音のあとにお名前・人数・ご希望のお時間をお話しください。手が空き次第、順に折り返します。
教室・物販
> お電話ありがとうございます。◯◯です。ただいまレッスン中のため、電話に出られません。体験のお申し込みやご質問は、ホームページのフォームまたはLINEからいつでも受け付けています。お電話でのご用件は、発信音のあとにお名前とご用件をお話しください。本日17時以降に折り返します。
コツは3つです。①言い切りの約束を書かない(守れなかった日に一番信用を失います。「順にご連絡します」で十分)。②「お急ぎの方は」と条件を付けない(急いでいない人が録音しなくなります)。③店側の事情の説明を長くしない。下書きをAIに頼むのも手ですが、うちで試したときは、禁止と指示したのに言い切りの約束を書いてきました。吹き込む前に一度だけ目視で確認してください。録るときは立って、いつもより少しゆっくり。3回録って3回目を使うと落ち着きます。
かかってくる電話を減らす: 先に載せる質問リスト
同じ質問の電話が3回来たら、それは情報の置き場所の問題です。よく聞かれる10個と、載せる場所の対応表を置きます。
| 質問 | 載せる場所 |
|---|---|
| 駐車場はある? | GBPの説明文・予約ページ |
| 当日予約できる? | GBPの説明文・予約ページの冒頭 |
| 支払い方法は?(カード・QR決済) | GBPの属性欄・メニューページ |
| 場所はどこ? ビルの何階?目印は? | GBPの写真と説明文 |
| 営業時間と定休日は?(祝日は?) | GBP(祝日の扱いまで書く) |
| 所要時間はどれくらい? | メニュー名・クーポン名に「約◯分」 |
| 子連れで行ける? | GBPの「質問と回答」・こだわり欄 |
| 予約の変更はどうする? | 予約完了メッセージ |
| 持ち物・服装は? | 予約完了メッセージ |
| 担当は選べる? 1人でやっている? | スタッフ紹介・プロフィール欄 |
置き場所のコツは、電話をかける直前の人の目に入る場所に絞ることです。ホームページの奥のFAQページは、電話をかけようとしている人には見つかりません。GBPの「質問と回答」は、自分で質問を投稿して自分で答えてよい欄なので、上位5個をここに置くのが手早いです。
質問を15個くらいに広げたいときは、店の基本情報を添えてAIに「お客さんから電話で聞かれそうな質問と回答の下書きを」と頼むと、自分では思いつかない分まで出てきます。ただしAIはあなたの店の駐車場の有無を知りません。答えは全部、自分の店の事実で書き直してから載せてください。
つながりやすい時間帯を書いておく
受け皿を作っても、電話をゼロにはしないでください。年配のお客さんには電話が唯一の連絡手段のことがあり、初めての人の「ちょっと聞きたい」は声でないと解けない不安が多く、急ぎの用件は電話が最速です。
やることは1つ。出られる時間帯を決めて、書いておく。
> お電話は、平日12:00〜13:00/18:00〜19:30がつながりやすいです。それ以外の時間は施術中のことが多く、留守番電話にご用件をお願いします。当日中にこちらからご連絡します。
これをGBPの説明文・予約ページ・留守電の中に置きます。いつならつながるかが書いてあると、出られなかったことが不誠実に見えません。時間帯は守れる範囲で。「毎日18時以降」と書いて週の半分出られないなら、「火・木・土の18時以降」に狭めたほうが信用は上がります。
折り返しは、電話でなくて構いません
折り返しで一番きついのは、かけ直すことそのものです。番号が残っていればSMS(ショートメッセージ)が送れますし、LINEでつながっている相手ならLINEで足ります。文字なら、相手も自分の都合のいいときに読めます。
> ◯◯です。お電話をいただいたのに、施術中で出られず失礼しました。ご予約やご質問でしたら、このままSMSでも承ります。お電話がよろしければ、本日18時以降におかけ直しいただくか、ご都合のよい時間をお知らせください。
電話でかけ直すときも、第一声を「お電話ありがとうございました。施術中で出られず失礼しました」と決めておくと、折り返しの心理的な重さがかなり減ります。
今日やる1つ
留守電のメッセージを、上の文例で録り直してください。3分で終わります。取りこぼしの体感は、まずこれだけで変わります。
よくある質問
Q. 固定電話がなく、スマホ1台でやっています。
それで足ります。この記事の受け皿は全部スマホで作れます。携帯会社の留守番電話サービスか簡易留守電の応答を、上の文例に差し替えてください。番号が残ればSMSで文字の折り返しができるのは、むしろスマホの利点です。
Q. 鳴るのは営業電話ばかりです。
よくあります。その場合は取りこぼしの問題ではないので、留守電だけ置けば十分です。営業電話は用件を残さず切れることが多く、留守電が勝手に選別してくれます。2週間数えて営業電話が半分を超えていたら、残りの時間は別の改善に使ってください。
Q. 折り返しは何分以内にすべきですか?
決まった正解はありません。目安として、当日中に一度返せていれば大きな取りこぼしにはなりにくい、というのがこの記事の立場です。「◯時以降にご連絡します」と留守電で先に言っておけば、遅さは不誠実に見えません。速さそのものより、予告どおりに返ってくることのほうが効きます。
この記事の完全版(不在着信を2週間数える記録シートと集計のAIへの頼み方・電話の用件を4つに分けて3つを外に逃がす振り分け表・留守電とLINE自動応答を作るプロンプト3本・よくある質問15問の作り方)は、noteの記事と月額の研究室で公開予定です。公開され次第、ここにリンクを載せます。
出典: 営業時間外の着信割合=トレタ調べ(参考値)/「つながらないと約3割が予約をやめる」は元調査を確認できていないため未検証/手が塞がる時間の試算は当研究室が教材用の架空予約データで実施(2026年8月・架空データによる試算であり業界の平均値ではありません)
手順の詳しい版・コピペで使えるAIへの頼み方・実測データは、noteの記事(300円)と月額の研究室で公開予定です。公開され次第、ここにリンクを載せます。
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