LINE公式アカウントは、無料でどこまで使えるのか。0円で回す設計
LINE公式アカウントについて、意外と知られていないことを先に言います。無料プランと有料プランで、使える機能はほぼ同じです。 リッチメニューも、クーポンも、自動応答も、0円で使えます。違いは月に送れる一斉配信の数だけです(無料プランは月200通。2026年8月29日にLINEヤフーの公式サイトで確認しました)。
しかも、お客さんからのメッセージへの返信と、キーワードへの自動応答は、配信数に数えられません。「受付係」としての使い方なら、友だちが何人いても0円のままです。この記事では、自分の店が0円で回るかを見る計算表と、自動応答の設定例5セット(応答文の全文つき)、配信の実例3本、有料に上げる損益分岐の式まで載せます。
200通の計算表(自分の店がどこにいるか見る)
一斉配信は「配信する人数×回数」で数えます。友だち100人に月2回送れば200通で、無料枠ちょうどです。
| 友だち数 | 月1回 | 月2回 | 月4回 |
|---|---|---|---|
| 50人 | 50通 ○ | 100通 ○ | 200通 ○ |
| 100人 | 100通 ○ | 200通 ○ | 400通 × |
| 150人 | 150通 ○ | 300通 × | 600通 × |
| 200人 | 200通 ○ | 400通 × | 800通 × |
| 300人 | 300通 × | 600通 × | 1,200通 × |
○が0円で収まる組み合わせです。個人店の顧客リストは100〜300人規模が多いので、「週1で全員に配信」は最初から無料枠に収まりません。×の位置にいる場合の選択肢は3つあります。
- 配信を月1〜2回に絞る(この記事のおすすめ。理由は後述のブロックの話)
- 絞り込み配信を使う(「直近3ヶ月に来た人だけ」のような絞り込みは無料の機能です。届けたい人にだけ届くので、通数の節約とブロックの予防が同時にできます)
- 有料プランに上げる(最後の節で式を書きます)
順番としては、まず「受付係」(応答とチャット。無料で無制限)から始めて、配信は月2回から。配信を主役にして始めると、通数の壁とブロックの壁に同時にぶつかりやすいです。なお、うっかり200通を超える配信を予約しても、超過分は送れない仕組みで、勝手に課金されることはありません(2026年8月時点の仕様)。その月の配信を翌月に回すか、絞り込みを強めれば済みます。
自動応答の設定例5セット(応答文の全文つき)
自動応答は何通返しても0円です。夜中の「明日空いてますか?」にも一次応答が返ります(予約の確定は、翌朝あなたがチャットで)。
先に注意を1つ。キーワード応答は完全一致です。「営業時間」で登録すると「営業時間は?」には反応しません。だから表記ゆれごと登録します。以下の5セット、{ }を自分の店に差し替えてそのまま使ってください。
1. 予約(キーワード例: 予約/予約したい/予約できますか/よやく)
> ご予約はこちらから24時間お取りいただけます → {予約ページのリンク}
> このトークに「{日付}の{時間}ごろ、{メニュー}希望」と送っていただいても大丈夫です。営業時間内に順にお返事します。
2. 営業時間(キーワード例: 営業時間/何時まで/何時から/定休日)
> 営業時間は{10:00〜19:00}、定休日は{毎週月曜}です。最終受付は{18:00}です。祝日は{営業しています}。
3. 場所(キーワード例: 場所/住所/どこ/行き方/アクセス)
> {住所}です。{◯◯駅の△△口から徒歩5分、1階に□□があるビル}の3階です。
> 地図はこちら → {Googleマップのリンク}
> 迷われたら、このトークにご連絡ください。
4. 料金(キーワード例: 料金/値段/いくら/価格/メニュー)
> メニューと料金はこちらにまとめています → {メニューページのリンク}
> 初めての方は{◯◯(約60分・{金額}円)}を選ばれることが多いです。お支払いは{現金・カード・QR決済}が使えます。
5. キャンセル(キーワード例: キャンセル/変更/日時変更/予約変更)
> ご予約の変更・キャンセルは、前日{18時}までこのトークで受け付けています。「{日付}の予約を変更したい」と送ってください。営業時間内に順にお返事します。
仕上げに、どのキーワードにも当てはまらなかったときの返事を「メッセージありがとうございます。営業時間内に順にお返事します(自動返信)」にしておきます。取りこぼしがなくなり、「(自動返信)」の一言で、人が返していると誤解されるのも防げます。表記ゆれの展開はAIに頼むと早いです(「お客さんが実際に送りそうな表記ゆれを各5個」)。ただし応答文の中身の事実、営業時間も駐車場もAIは知らないので、載せる前に自分の店の事実で埋めてください。
ブロックされない配信の型(実例3本)
覚えておく数字が1つあります。LINE公式のブロック率は平均で約3割という調査があります(ソーシャルPLUS・2024年・友だち1,000人以上のアカウント対象・参考値)。そして理由の1位は、内容ではなく「配信が多すぎる」でした。頻度は「週1程度がちょうどいい」が最多だったという利用者調査もあります(2023年・二次情報・参考値)。
だから型は、月2〜4回。売り込み1に対して、役立ち・気にかけ2の割合です。実例を3本(美容室の例。業種に合わせて差し替えてください)。
役立ち(季節の話)
> 梅雨に入って、うねりのご相談が増えています。朝のスタイリング前に、根元だけしっかり乾かすと収まりが変わりますよ。うまくいかない時は、次のご来店のときに髪質に合わせたやり方をお伝えします。
お知らせ(売り込みの回)
> {来月}のご予約を受け付けています。{平日の14時まで}は比較的空きがあります。このLINEに「予約」と送っていただければ、空き状況をお返しします。
気にかけ(再来のきっかけ)
> 前回のご来店から2ヶ月ほど経った方へ。そろそろ{カラーの根元}が気になる頃かなと思ってご連絡しました。{今週は木・金}に空きがあります。ご都合が合えばどうぞ。
売っていないのに店を思い出してもらえて、次に来る理由まで置いてある。配信はこの形が続けやすいです。それと、ブロックされても凹まなくて大丈夫です。平均約3割は「嫌い」の表明ではなく通知の整理で、正常の範囲です。
有料に上げる損益分岐(式1つ)
判断は配信数の計算だけでできます。必要な通数=友だち数×月の配信回数。これが200を超え続けるなら、選択肢は「絞り込み配信で200以内に収める」か、ライトプラン(月5,000円・税別・月5,000通。2026年8月時点)です。
5,000円を払うかどうかの式はこうです。5,000円÷お客さん1人の粗利=配信がきっかけの再来が月に何人いれば回収できるか。 1回の粗利が5,000円なら月1人、2,500円なら月2人です。配信経由の再来を数えられる形(配信にだけ載せるクーポンなど)にしておくと、この判断が感覚でなく数字でできます。逆に、そこまで配信を主役にする予定がないなら、0円のまま受付係に徹するのが安全です。友だちが数百人を超えてから考えても遅くありません。
今日やる1つ
まだアカウントがなければ、開設だけしてしまいましょう(未認証アカウントは審査なしで即日・30分ほど)。検索結果の上に出る広告ではなく、アドレスがlycbiz.comの公式サイトから進んでください。すでにあるなら、上の5セットのうち「営業時間」と「場所」の2つだけ登録してみてください。
よくある質問
Q. 個人のLINEと何が違うのですか?
別のアプリ・別のアカウントです。お客さんにあなたの個人アカウントは見えませんし、友だちリストが混ざることもありません。お客さん側から見えるのは、店の名前とアイコンだけです。
Q. 乗っ取りが心配です。
開設時に作るLINEビジネスIDで、2段階認証を設定してください(設定を求められたら、そのまま進めれば大丈夫です)。なお、友だちになってもお客さんの電話番号や住所があなたに見えるわけではありません(見えるのは相手が表示を許可した名前とアイコンだけ)。紙の顧客台帳より、見える情報はむしろ少ないくらいです。
Q. 認証済アカウント(バッジつき)にすべきですか?
急がなくて大丈夫です。認証済にするとバッジが付いて検索に出やすくなりますが、審査があります。店頭の声かけと既存のお客さんから友だちを集める段階では、未認証で困りません。ちなみにバッジの色は2026年4月から緑に統一されました。古い記事にある「青バッジ」は昔の情報です。
この記事の完全版(開設30分のつまずき所つき手順・あいさつ文と表記ゆれ展開の生成プロンプト・デジタルのポイントカード(ショップカード)の特典設計・友だちの集め方と、配信0円のまま特典を配って導線まで計測する「合言葉」の設計)は、noteの記事と月額の研究室で公開予定です。公開され次第、ここにリンクを載せます。
出典: 料金・機能・仕様は2026年8月29日時点でLINEヤフー公式サイト(lycbiz.com)の料金プラン・マニュアルにて当研究室が確認(内容は変更されることがあります)/ブロック率約3割・理由1位「配信が多すぎる」=ソーシャルPLUS調査(2024年・参考値)/「週1程度がちょうどいい」が最多=利用者調査(2023年・二次情報・参考値)
手順の詳しい版・コピペで使えるAIへの頼み方・実測データは、noteの記事(300円)と月額の研究室で公開予定です。公開され次第、ここにリンクを載せます。